
シンガポール行ってきました。本当に良い経験ができました。
観光経済をテーマとして卒論を書いた身としては、どこに行っても興味深い都市国家です。
観光客がとても多く、やはり観光立国だなと実感しました。
しかし今、この経済構造は効率良いのかなと疑問に思っています。
その疑問点を3つ以下に示します。
1.エンターテイメントに重きを置いていて遊ぶ箇所は多くあるが、集中しすぎている
カジノやテーマパーク、自然を生かした観光客への呼び込みは効果的で、私が観光立国に向けて推奨する条件の一つである。シンガポールは見事にそれを実現している。
しかし中心部を離れると、こんなに土地が余っているのか、というほど未開拓の土地を見つけることができる。さらにマンションが中心で一軒家が少なく、大きなショッピングモールが割と多めに建設されている。そのためか、日本ではごく一般的なスーパーを見かけることがなかった。
正直、それぞれの観光地が近くにあるため、観光に時間とお金を多く擁さない。
特にテーマパークの設置は効率よく稼げるので推奨する政策の一つでそれを実現しているのは良いが、交通費で稼ぐという政策の実現は厳しい。
まさにコンパクトシティを国レベルで見ているような感じで、郊外の活かし方を考えなければいけないと思った。
2.地元製造業が思いつかない、見つからない
郊外を観光地化するのは難しいとして、郊外の活かし方として重要なのは製造現場にすることだ。農業でも工業でも構わない。空地をどう生かすかが重要だ。
日本に住んでいると分かるように、多くの製造ラインは郊外にある。それは新幹線に乗って景色を眺めているとすぐに分かる。
シンガポールにはその景色があまり見当たらなかった。
さすが金融と中継貿易が支える国家だな、といった印象を受けた。
電車から見える景色として印象的だったのは、日産、ホンダ、トヨタ、BMW、フォルクスワーゲンが立て続けに見れるところ。
さらに、シンガポールのデザイナーショップが分かりにくい。ネットで探しても、実際に歩いても海外企業ばかりだ。日本には馴染みがないなと思っても、その企業がただ日本に進出していないだけ。
何か苦しい感じがした。
3.ショッピングモールがありすぎて、もはや疑問しかない。
どこを歩いてもショッピングモール。
しかも同じブランドの店ばかり。特に特色はない。中に入ればどこも同じ空間。
こんなことをしていたら在庫の無駄なのでは、と感じてしまう。
私はただの観光客なのにそんな心配をしてしまった。
コンビニの設置ではそのような戦略が有効な場合もあるが、ショッピングモールはコンビニではない。対象ごとにモールの雰囲気を変える戦略が必要なのに、その戦略がどこにも見えなかった。
シンガポール国民は実は、自身を幸福だと感じていないらしいです。
私も実際に行ってみて、好奇心旺盛な私がここに住んだら思っている以上に辛いだろうなと感じています。
まさかこんな風に感じるとは思いませんでしたが、今度は機会があれば観光としてではなくビジネスとして訪れてみたいと思っています。